クリアライトが大麻取締法違反裁判の被告人を支援する理由
クリアライトは、大麻取締法は保護法益の不明確な被害者なき法律であり、現状の運用において人権侵害を引き起こしている悪法だと主張しています。そして、この法律を是正するためには、法廷においても大麻取締法の問題について主張していく必要があると考えます。それが、私たちが大麻取締法違反裁判の被告を支援する理由です。
しかしながら、このような主張を法廷で述べることで、被告人の時間的・経済的な負担が増えることも事実です。場合によっては、被告人に不利益な判決がでる可能性もあります。そのため、私たちの考え方に賛同し、十分に納得した上で裁判に臨もうとしている方に対して、被告人の考え方を尊重し、人権をまもりながら、裁判を支援していく必要があります。
2021年8月、当団体の副代表である大藪龍二郎氏が大麻取締法違反で逮捕され、現在、裁判が行われています。クリアライトは、大薮龍二郎氏を支援します。そして、この裁判の進行状況や本人及び弁護側の主張、裁判関係資料などを可能な限り公表していきます。
今後、私たちの主張に賛同してくださる被告人や弁護士、関係者の皆さんとこの情報を共有することで、大麻取締法違反裁判を支援していきたいと考えています。
2021年8月8日。陶芸家の大藪龍二郎氏が群馬県内において大麻を所持していたとして大麻取締法違反で逮捕された。彼は、創作活動を行う傍らで、任意団体クリアライトの理事としても大麻規制によっておこる人権や環境の問題を是正する活動を行っている。これは、2021年10月26日に前橋地方裁判所で開かれた第一回公判における本人の主張である。芸術家として内外で活動している大藪氏が、大麻に対するフラットな意見を述べているところが大変興味深い。この裁判で彼は、情状酌量を乞うのではなく現在の日本の大麻取締法の矛盾点を突き、この法律自体に違憲性があるとして真正面から臨むことを選択した。是非注目して頂きたい裁判である。
大藪大麻裁判とは
被告人 大藪龍二郎よりご挨拶
このたびの私の行動によって多くの皆様にご迷惑とご心配をおかけしている事実に対し、先ずは心よりお詫びを申し上げたいと思います。大変申し訳ありません。
さて私、大藪龍二郎は第一回公判にて罪状の認否を「保留」させて頂きました。その理由は、主に以下の2点について検察の釈明を頂きたいと思ったからです。1つ目は、今回の事件において私が所持していた植物片3.149gを大麻であると断定した鑑定理由についてその詳細が明らかでなく、例えば大麻取締法に定める「大麻」とは何を指し、鑑定した植物片の何をもって「大麻」と断定したのか?など多くの疑問点があること。そして2つ目に仮に私が大麻草を所持していたことによって、どのようにどのくらい大麻取締法の保護法益とされる「国民の保健衛生の保護」を侵害していたのか?これら2点について検察の具体的な説明をお聞きする前に「罪をみとめるか?」と問われても現状「わかりませんもう少しご説明ください。」としか言えないというのが正直な気持ちだからです。
また、上記の2点を含め多くの疑問の検証を行わずして罪を認め裁判を終わらせてしまうことは私の作家人生を失うことにつながります。私は縄文文化・日本文化と大麻草との深い関係性を知っています。そして大麻草は毎日必ず触れる道具の素材なのです。大麻草と言う植物の益と不の区別なく、悪であると認め踏みつけてしまえば、今後、縄文文化と深く結びついた自身の芸術活動を続けてゆくことが出来ません。
今回の裁判過程において大麻取締法の立法根拠は何なのか?大麻草に有害性があるとするならばその具体的な根拠は何か?などを法廷の場で詳らかに出来ればと思っています。詳しくは以下にあります私の冒頭意見陳述と長吉秀夫氏による第一回公判のレポートを是非お読みになって頂ければと思います。そしてもしも今回の私の裁判と任意団体クリアライトの活動にご賛同とご支援を頂けましたら誠に幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
大藪 龍二郎